概要
浮動小数点数は、C++や.NETを用いた開発において、数値演算の精度と効率を両立させるために不可欠なデータ型です。しかし、IEEE 754に基づく内部表現や丸め誤差の影響により、期待通りの結果が得られないケースも少なくありません。特に、比較演算や金額計算、科学技術計算などでは、誤差の蓄積がバグや仕様逸脱につながる可能性があります。float
やdouble
を使用したのに期待した精度の結果が得られない、意図しない誤差がでる、などの問題は浮動小数点数の特性を理解することで回避できます。
本ページでは、主にC++および.NET(C#)の開発者を対象に、浮動小数点数の基本構造、典型的な落とし穴、そして実務での対処法について、具体的なコード例とともに解説します。
浮動小数点数は便利である一方、扱いを誤ると重大なバグにつながる可能性があります。C++や.NETの開発においては、型の選定、演算順序、比較方法、テスト戦略などを適切に設計することで、精度と信頼性を両立させることが可能です。この記事が、実務における浮動小数点数の理解と活用に役立つことを願っています。